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第14回「地理空間情報に関するベースレジストリ利活用研究会」レポート

2025/10/31

2025年9月29日(月)、第14回「地理空間情報に関するベースレジストリ利活用研究会」をオンラインにて開催し、委員とオブザーバーあわせて51名の委員が参加しました。今回はAIGIDの取り組みとして「オープンデータを用いたインフラベースレジストリの研究開発」および「河川系ベースレジストリデータ作成のための検討」、「変化検出に基づく建物IDを維持した建物フットプリント更新」について報告するとともに、2人の識者による話題提供が行われました。

●オープンデータを用いたインフラベースレジストリの研究開発

スピーカー:AIGID(株式会社情報試作室開発室・室長/東京大学CSIS客員研究員)相良毅氏

情報試作室開発室の相良氏が、オープンデータを用いて道路や河川、道路関連施設などインフラ関連の総合的なベースレジストリのプロトタイプを開発する取り組みについて発表しました。道路については、全国を網羅する公開可能な道路基盤データを研究用として構築することを目的としており、OpenStreetMap(OSM)のデータをもとに都道府県道以上を主要道路として全国整備するとともに、時系列を持つ道路データ管理手法も開発しています。

現在、データセットおよびWebAPIを一般公開中で、週1回のペースでOSMのデータを自動的に取り込んで更新を行っており、今年度は道路リンクのIDと、その時系列管理方式の改良に取り組んでいます。さらに、ラインで与えられた道路に最も近い道路リンク列を検索する手法についても開発する予定です。

道路リンクのIDは不変性の高いID作成方法を検討しており、現状はUUID4を利用していますが、ランダム値のためデータの作り直しが必要な場合に同じ値を復元できないという課題があります。そこで、いつどのような環境で作り直しても同じIDを生成できるようにするため、今回はUUID5を利用したIDの生成に取り組みました。

UUID5は名前空間(Namespace)と名前(Name)のハッシュ値に基づいて生成されるため、両端のノードのIDや経路の頂点の座標列などを文字列に変えて、同じ値を与えれば同じハッシュ値が返ってくるので、パラメータさえ固定してしまえば同じ値になりますが、リンクの判定基準を見直すたびに入力するパラメータが変わるためIDも変わってしまうという課題があります。そこで、「始点ノードのID」「終点ノードのID」「リンクの長さ」「始点から出る方位」「更新時刻」の5つを入力パラメータとして決めて同じリンクかどうかを判定する基準と分離することにより、処理速度は遅くなるものの同一リンクの判定基準を変更してもUUIDに影響しないようにしました

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UUID5によるID作成方法

リンクに関連する道路属性の取得方法の改善については、現状はOSMデータのリンクに含まれるすべての「way」から属性を取得していましたが、新たにwayに関連する「relation」からも属性を取得するようにしました。これにより、国道と県道が重なる区間がある道路でもrelationにより重用を管理することが可能となります。このように1つの道路リンクに対して複数の道路属性情報を紐付けられる方向でデータ構造の設計を行っています。

さらに、複数のリンクIDを束ねる「道路区間ID」についても検討しました。現状では、更新の際に以前のデータと全く同じ場合はそのまま同じIDを継続しますが、少しでも変化があると異なるIDを生成しているため、以前のIDがわからなくなり使いにくいという課題がありました。そこで、多少の変化があっても同じ道路区間を表しているのであれば同じIDを使えるように、地図としてのリンクIDとは別に、概念的な道路区間を示す道路区間IDを生成することを検討しています。

リンクIDが特定のリンクの空間属性・非空間属性を持つ地物を示すためのIDであるのに対して、道路区間IDは道路ネットワークのトポロジー上で特定の道路区間を示すためのIDとして定義し、空間属性および非空間属性それぞれにおいて、地物IDと道路区間IDを変更する基準を検討しています。

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リンクIDとは別に道路空間IDを生成

●河川のベースレジストリデータ作成のための検討

スピーカー:AIGID(アジア航測株式会社)徳田庸氏

アジア航測の徳田氏が、河川のベースレジストリ整備に関する取り組みを報告しました。この取り組みは、全国を網羅する公開可能な河川系の基盤データの構築を目的としたもので、2024年度は国土数値情報の河川リンクとノードをもとに四国全域を対象とした試作データを作成し、今年度はそれを全国版へ拡張することを目標に作業しています。

全国版試作データは最初のバージョンが完成したところで、流路リンク数が28万6,435、ノード数が28万8,579となっています。このデータは国土交通省が提供する国土数値情報をもとに作成しており、国土数値情報は都道府県ごとに分割して提供されているため、複数の都道府県にまたがる河川の場合に河川始点IDおよび河川終点IDを修正する必要があります。また、このデータを河川に関連した業務で使えるようにするため、河川の流下方向がわかる属性を付与する必要があり、そのために流路を識別するために単純な通し番号を設定し、今後の更新方法について継続して検討中です。

検討中の課題としては、国土数値情報では上流側端点と下流側端点が逆になっている場合があり、今回生成するデータでは流れの方向を正しく修正する必要があるため、どのように効率的に修正するかを検討しています。国土数値情報の場合はノード(ポイント)が持つ標高値の精度に問題があるため、単純に「上流端標高-下流端標高<0」の数値で判断するのは不適切であるため、上流端ノード番号と下流端ノード番号で定義される流下方向と、一つ下流側の流路IDのとの関連から流下方向が逆になっている流路リンクを抽出する方法を検討しています。

問題が発生するリンクを判別する方法としては、例えば1つのノードに対して上流側のリンクは2回出現し、下流側のリンクでは2回出現する場合は河川の合流地点と判断し、上流側1回・下流側0回の場合は河川の起点、上流側0回・下流側1回の場合は河口と判断して分類を行います。また、都道府県ごとに分かれていたデータをまとめたため、複数の都道府県にまたがる河川については県境でノードが発生するため、この場合は上流側1回・下流側1回という出現回数になります。このほか、上流側2回・下流側1回の場合は分流となります。

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リンクでの出現回数によりノードを分離

合流、分流、起点、河口、県境の5つのパターンに当てはまらない場合、例えば「上流側0回・下流側3回」や「上流側3回・下流側0回」などの出現回数となった場合はNG(異常)と判定します、このように上流端ノードと下流端ノードの分類パターンに基づいてリンクを評価することで、流下方向が逆になっている流路リンクを抽出することができます。

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問題のあるリンクの抽出方法

リンク評価の考え方としては、まず下流側ノード分類と下流側リンク番号による評価を行った上で、NG(NG1)となった場合は上流側ノード分類と下流側ノード分類の組み合わせによる評価を行って、異常が出たらNG(NG2)2とする方法を検討しましたが、河口や起点に接続するリンクに問題がある場合はNGとならず、ノードの問題を抽出できないという課題もあります。また、上流端ノードと下流端ノードが逆になっているリンクが連続する場合でも、やはりリンクを正しく評価することができません。現時点でのリンク評価結果は、NG1リンク数が5,041、NG2リンク数が1,956となっています。

この課題の解決策としては、国土数値情報の海岸線のデータを使用し、一定距離でバッファを発生させてその領域内に含まれるノードを河口ノードとして、領域内にあるのに分類が河口とならないノードは修正し、逆に領域内に無いのに河口となっているノードは河口以外となるように属性を修正する方法を検討しています。また、各流路の下流側端点ノードと河口ノード間の距離を計測して、上下の流路端点が逆になっているリンクを特定することで、例えば分類がNGとなるノードに接続する3つの流路リンクのうち、河口からの距離が最も短くなる流路リンクの向きが逆であると判定する方法も検討しています。

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海岸線のデータを活用して空間的に河口の候補を抽出

●変化検出に基づく建物IDを維持した建物フットプリント更新

スピーカー:AIGID(東京大学 空間情報科学研究センター)趙琛渤氏

東京大学 空間情報科学研究センターの趙氏が、航空画像をもとに建物フットプリントを取得し、変化検出に基づいて建物ごとに付与したIDを維持しながら建物フットプリントを更新する技術の開発について発表しました。熊本県益城町において、異なる2つの時期の航空画像(空中写真)データをもとに新築・撤去・改築された建物を抽出しました。

航空画像データはG空間情報センターよりPLATEAUの正射画像を使用しました。これは益城町において2023年に撮影された航空写真をオープンデータ用に加工したもので、解像度は40cmです。また、国土地理院の空中写真閲覧サービスより入手した空中写真も使用しました。こちらは2016年に撮影された非正射画像で、解像度が低くズレがあり、縮尺が同一でなく、モバイク化や幾何補正などの前処理が必要なことが課題です。

建物フットプリント変化検出のアノテーションについては、対象期間内に存在しなかった建物や構造物が新たに出現した場合は「新築」、既存の建物や構造物が変更されて形状や規模、概観が異なる状態に置き換わった場合を「改築」、既存の建物や構造物が完全に取り除かれて空地または別用途に変わった場合を「撤去」として変化検出のラベリングを定義しました。

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新築・改築・撤去の変化検出ラベリングを定義

2020年と2023年の2時点の変化検出ラベリングでは、2020年の建物ポリゴンに対して2023年にIoU(Intersection over Union:物体検出の評価指標)が0.5以上の対応物がある場合は「不変」、2023年には存在するが2020年にIoUが0.35以上の対応物がない場合は「新築」、2020年には存在するが2023年にIoUが0.5以上の対応物がない場合は「減少」、2020年の建物ポリゴンが2023年に0.35<IoU<0.5の対応物を持つ場合は2020年側を削除して2023年側に更新ラベルを付与しました。

一方、2016年と2023年の変化検出は、空中画像を目視判別で補完して2020-2023年と同じルールに基づいて変化検出ラベルを付与しました。この結果、2020-2023年では建物オブジェクト数22,962のうち不変が16,120、新築が4,352、撤去が2,052、改築が408となり、2016-2023年では建物オブジェクト数20,430のうち不変が16,740、新築が3,573、撤去が95、改築が22となりました。

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変化検出ラベリングの結果

課題としては、2020年と2023年のLOD0データはPLATEAUの定義や作業者が異なる可能性があり、ラベル付けの基準に差が生じることがあること、光や撮影角度の違いにより同一建物でも輪郭や形状が異なり、ラベリング結果にばらつきが生じることがあること、年代ごとのLOD0データを重ね合わせて変化検出を行うと基準の差や条件の違いが積み重なり誤差が累積する恐れがあることなどが挙げられます。

2016-2023年の変化検出ラベリングの課題としては、目視ラベリングでは幾何的に歪みが存在すること、地上基準点(GCP)が無いために目視で幾何補正を行っても位置にズレが残ること、2016年の画像は解像度が低く対象物の判別や輪郭の抽出が難しくなるためラベリング時に偏差が生じやすいことなどが挙げられます。

これらのラベリングデータを使用し、Change3D(CVPR2025)のアルゴリズムを使って変化検出の実験を行いました。現状は約46%の精度で、今年度の第三四半期ではラベリングをもう少し精査することで約80%の精度を目指します。さらに、今後は目視によるPoint Orientationのメカニズムを導入することにより、精度を90%以上に向上させることも検討しています。

事例紹介に続いて、2つの話題提供が行われました。

■内閣府が進める地理空間データ連携基盤と公開型GIS「スマートマップ」

スピーカー:内閣府 科学技術・イノベーション推進事務局 スマートシティG 鈴木宏実氏/株式会社Geolonia 宮内隆行氏

内閣府の鈴木宏実氏が地理空間データ連携基盤および公開型GIS「スマートマップ」を活用した今後のスマートシティ施策について発表しました。内閣府ではスマートシティ施策の一環として、スマートシティにおけるアーキテクチャをリファレンスとして参照できるようにした文書「スマートシティ・リファレンス・アーキテクチャー(SCRA)」を公開しています。SCRAは2025年5月に第4版を発行するとともに、地理空間データ連携基盤の構造や役割を解説した別冊の第2版も同月に発行しました。

内閣府は第6期科学技術・イノベーション基本計画において、スマートシティを「地域が抱える課題の解決を図り、Society 5.0を先行的に実現する多様で持続可能な都市・地域」として位置付けており、人間を中心として技術のインフラを変えていくことを目指し、それを先行的に実装していくのがスマートシティであると考えています。

これまで事業を進めてきましたが、2024年6月に財務省の予算執行調査が行われ、財務省の見解としては、「スマートシティがトップダウンで決まり住民関係者理解が不在」「住民ニーズが高くないものが採択されている」「スマートシティでなくてもできるものが採択されている」「分野間・都市間のデータ連携が必須条件になっていない」といった見解から総務省「地域課題解決のためのスマートシティ推進事業」が廃止になりました。このことへの反省から、公平性・インクルージョンの実現が重要であるという観点からもう一度検討し直し、住民にメリットがあり、参画できるものにしていく必要があると考えて、明確なビジョンを示すためSCRA4.0の発行に至りました。

これまでのスマートシティ施策では、都市OSが中核的機能となっていましたが、SCRA4.0では、まず標準的な地理空間データ連携基盤を定義し、国土地理院のZXYベクトルタイルデータをベースの地図として、その上に関係各省のデータを重ねて、さらに動的データも見られるようにして、住民が参加して課題を発見するとともに色々な政策の結果を地図上で検討するという形を考えました。

さらに今年度に発表予定のSCRA5.0では、単に地図上でデータ連携を図るだけでなく、より住民に使いやすいものにするためにLLM(大規模言語モデル)の活用を推進する方針です。LLMはセマンティックなデータでないと読み込めずバイナリデータでは活用できないので、動的データはNGSI-LDで集めて地図の上に重ねて、さらに様々な官庁が出している静的なデータのAPIを重ね合わせることにより現状を分析し、LLMでわかりやすく住民に利用してもらうことを考えています。

例えばGoogleマップは便利ではあるものの動的データの重ね合わせが苦手なので、スマートマップの上に動的データを重ね合わせてGTFS Realtime形式のデータをGoogleマップに提供することにより、多様なモビリティがスマートマップに動的データを重ね合わせることでMaaSにつながる政策を進めたいと考えています。さらに、LLMによって幅広い年代・国籍の人が問い合わせできるようにすることで地域交通の利便性向上を図るとともに、災害対策において災害時の避難誘導の情報や被災者の位置情報、救援ルート情報、病院・避難所の収容情報などに誰もが簡単にアクセスできるようにしたいと考えています。

今後はEUとも連携しながら、地理空間情報の上に色々なデータを重ね合わせてLLMを活用する方向で海外とも協力しながら取り組んでいきたいと考えています。

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LLMの活用により誰もが活用できるデジタルツインを実現

続いて株式会社Geoloniaの宮内隆行氏が地理空間データ連携基盤の今後について発表しました。Geoloniaは地理空間データ連携基盤においてオブジェクト指向のデジタルツインの実現を目指しており、データの定義よりも先に「データをどのように利用してもらうか」「どのようにアクセスしてもらうか」を先に決めたほうがいいと考えています。アクセスする方法を先に決めてしまうことにより、データの互換性について後から制度変更が行われても柔軟に対応しやすくなります。

メタデータについてはSmart Data Modelsにおいてスキーマが公開されており、この中には建物や橋、交通など様々な分野があります。こちらに積極的にフィードバックを送りながら全国共通のスキーマを柔軟に対応しやすい形で構築していきたいと考えています。

具体的な実装例としては、現在、人流を活用したアプリケーション「人流ダッシュボード」の開発に取り組んでおり、例えば人流データの日時に合わせて背景地図を切り替えることが可能で、天候データなども表示されます。日時を指定することでその時点の都市の状況がわかり、可視化できない情報も含めて連携し、混雑している箇所を確認するなど、自治体のエリアマネジメントが可能となります。

もうひとつの実装例は、道路使用許可申請等のためのウェブフォームで、住所と氏名を入れると地図が画像として添付されて申請書が作成されます。オープンな仕組みによって、今まで住所情報でやり取りされていたものに地図が画像として添付されることにより、バックエンドでAPI連携も可能となり、例えば道路使用許可申請であれば警察や消防とAPI連携で申請内容を共有することで、警察車両が出動するときに使用されている道路がすぐにわかるようになります。現状は紙を使ってそのようなやりとりが行われていますが、地理空間データ連携基盤という形で連携させることにより、他のオープンデータと重ね合わせてAPI連携が広がる形を作ることができます。

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人流ダッシュボード

■デジタルアドレスを活用した住所の正規化と社会実装の展望

スピーカー:日本郵便株式会社(DX戦略部 担当部長 )西郷佐知子氏/(DX戦略部 課長)武 聡志氏

日本郵便 DX戦略部の担当部長を務める西郷佐和子氏が新サービス「デジタルアドレス」について紹介しました。デジタルアドレスは住所を7桁の英数字に変換できるサービスで、2025年5月に始まりました。自分の住所を示すものとして、引っ越しても同じ番号を持つことが可能です。

一般ユーザーが利用できるほか、企業向けには郵便番号およびデジタルアドレスから住所情報を取得できる、日本郵便公式「郵便番号・デジタルアドレスAPI」を提供しており、無料で利用可能です。API導入企業によるデジタルアドレス導入開始のプレスリリースも各社から発表されており、例えばAPAホテルでは、チェックイン時にデジタルアドレスによる入力が可能で、簡単にチェックインすることができます。

この新サービスを提供した背景には、これまでの住所は利用者にとって入力が面倒であり、「住所を教えたくない」「転居時の住所変更が煩わしい」「置き配を利用したいが個人情報丸出しは嫌だ」といった利用者の思いだけでなく、「顧客の住所が間違っている」「転居情報が最新化されない」「住所の名寄せに苦労する」「住所情報の信用確認が難しい」など事業者にとっても住所を活用しにくい状況にあることが挙げられます。こうした状況を踏まえ、日本郵便ならではのアセットや強みを活かしつつ、住所にまつわる不便を解決したいという思いから始まっています。

デジタルアドレスは全国津々浦々に付番する郵便番号とは異なり、利用者自身に取得してもらう形で運用しています。住所に紐付いているのではなく、日本郵便の「ゆうID」に登録している自身の住所をデジタルアドレスに変換するものであり、ゆうIDに紐付いている住所が更新されると新しい住所へ自動的に変更されます。また、デジタルアドレスを削除したり、再取得したりすることも可能ですが、同じデジタルアドレスを再度取得することはできません。また、同じ住所に3人の家族が住んでいる場合でも、ゆうIDが違えば異なるデジタルアドレスが採番されます。

日本郵便はデジタルアドレスを提供することにより、まずは認知拡大を目指し、「長い住所でも入力するのが楽」という価値を社会に向けて実現していくとのことです。

■参加者による意見交換

話題提供に続いて、副座長を務める駒澤大学文学部地理学科・准教授(東京大学CSIS特任准教授)の瀬戸寿一氏が進行役となり、質疑応答および議論が行われました。このときの議論では、参加者からは以下のような質問や意見が寄せられました。

・「道路のオープンデータ開発については、歩行者天国など道路の用途についても時系列で蓄積して整備されていくと、とても使いやすいデータになると思いますし、一気に利用者が増えると思うので、その点も課題として考慮していただければと思います」

・「地理空間データ連携基盤については、内閣府が仕様を決めて、データ整備は自治体に任せているということでしょうか?
→(鈴木氏による回答)「内閣府はスマートシティ・リファレンス・アーキテクチャーに仕様を載せているだけで、自治体はこれに従う義務はありませんが、内閣府としてはデジ田交付金(デジタル田園都市国家構想交付金)などで支援する形で推進したいと考えています」

・「デジタルアドレスは、場所からユーザーを検索するサービスなどの提供は検討していますか?」
→(西郷氏による回答)「そのようなニーズがあることは把握していますが、今の時点ではとくに検討していません。個人の情報を扱うのはセンシティブな問題であり、ある程度、世に普及していった際にはユーザーの声を聞きながら検討したいと思います」

・「ドリルダウン形式の入力インターフェイスなどを採用することで住所を正規化する場合、表記の揺らぎがある程度発生する可能性がありますが、その点についてはどのように考えていますか?」
→(西郷氏による回答)「揺らぎのあるデータが一定量残ることは十分に承知していて、それが差分として検証し、色々な企業の住所情報をきれいにしていくことで意味のあるデータになると考えており、揺らぎの解消に向けてデータを活用していこうと考えています」