ABOUT

全体概要

モバイルデータ、IoTセンサデータ、衛星画像、交通プローブデータ、災害データなどダイナミックなリアルタイム時空間ビッグデータが入手可能な環境が急速に整いつつあり、既存の時空間データ解析の研究蓄積の上に立脚したあらたな解析手法が求められている。

このためには多様な時空間ビッグデータを一元的に集約し、これらを統合した形で人々や企業の活動、交通・物流・商流から都市の拡大・環境変化、社会経済システムの変質・変動までを包含するデジタル社会空間をデータ基盤の上に構築することが必須である。それと共に学内関連分野の研究者を有機的に連携し、各分野の深い知識・経験をデータ駆動型の技術・サイエンスにより深化し、リアルタイム時空間データ解析・応用の新たな学理を構築する。更に、研究成果のデータ駆動型産業への展開を行う。このため、社会連携・寄付研究部門や、データの信託利用などさまざまな産学連携スキームを利用すると共に、これらを契機に飛躍的な産業展開を行う。同時に研究成果を国際的な社会課題の解決支援につなげる。

デジタル空間社会連携研究機構

設置目的

時空間ビッグデータに関連する分野横断的な学術研究を実施し、関連分野の研究者が一体となって、リアルタイム時空間データ解析・応用の新たな展開を図ると共に、国際的な社会課題の解決を通じて研究成果を社会に還元する。

連携部局

  • 空間情報科学研究センター
  • 工学系研究科
  • 理学系研究科
  • 経済学研究科
  • 新領域創成科学研究科
  • 情報理工学系研究科
  • 情報学環
  • 生産技術研究所
  • 情報基盤センター
  • 医学系研究科
  • 人文社会系研究科
  • 農学生命科学研究科
  • 総合文化研究科
  • 地震研究所
  • 大気海洋研究所
  • 先端科学技術研究センター
  • 未来ビジョン研究センター
  • 史料編纂所

実施内容

空間情報科学研究センターをはじめ参加各部局が連携のうえ、時空間ビッグデータに関連する分野横断的な学術研究を行う。従来本学では、データベース、AI、画像認識、交通工学、衛星利用、災害工学、自然地理学、都市工学、経済学等固有の学問分野で関連研究が行われてきたが、これらの多様な分野の教員を集結し、リアルタイム時空間データ解析・応用の新たな学理を構築する。例えば、人口統計の推定は政策決定・経済分析のために必須のデータであるが、発展途上国においては現状では費用の面からその取得は困難である。これを衛星画像データとモバイルデータの統合的解析により推定すると共に、これを用いて発展途上国の経済分析や政策決定支援を行う。また研究成果のデータ駆動型産業への応用を行う。例えばMaaS(Mobility as a Service)やサプライチェーンマネージメントの変革、個別物件レベルのマイクロな不動産価格の推定による不動産業のデータ駆動型産業化を推進する。

また、このような研究のための研究基盤として、人や車の移動に代表される人間の社会活動の様相を上空から捉えた衛星画像データや、地上から捉えたIoTデバイスデータ、社会活動指標ともなる統計データ、グランドトゥルースとなる現地調査データなど多様な時空間ビッグデータを「デジタル空間社会データ基盤」の上に構築する。ハードウエアリソースについてはFSIデータプラットフォーム推進タスクフォースのデータ基盤を活用する。民間企業は毎年更新が行われる全国スケールの航空画像など潜在的利用価値の高い時空間データを有しているが、これを研究用データとして本学に信託して頂いた上で、これを元に研究者が更に深い研究を行うと共にデータ信託者へも新たなデータ利活用方法を示しビジネスに繋げてもらうなどの形で価値の還元を行う「データ信託」を行うことによりデータの拡充を行う。既設の「デジタルスマートシティイニチアティブ」社会連携研究部門(生産技術研究所)や「不動産情報科学研究部門」(空間情報科学研究センター・寄付研究部門)とも連携を行う他、新たな社会連携・寄付研究部門の設置を目指す。これ等のスキームにより研究成果の産業・社会還元を行うと共に、SDGs 3,11,13を中心とした国際的な社会課題解決支援を行う。そのため実行力と資金を有する世界銀行・アジア開発銀行などとも連携する。