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2024年度A1A2 都市デジタルツイン応用プロジェクト
(創造的ものづくりプロジェクト(工学部)、創造性工学プロジェクト(工学系研究科))
2024/10/17
講義の目的
本プロジェクトでは、国土交通省都市局が2020年度にスタートさせたProject PLATEAU(プラトー)が提供する都市デジタルツインの実装モデルである「3D都市モデル(CityGML形式)」を題材としたアプリケーション開発の演習を行うことで、都市デジタルツイン分野における技術的知見を深めることを目的とする。学生は個人又はグループにより参加し、講義前半におけるインプットを元に、講義後半における開発に取り組む。
本プロジェクトで身に着けた知見を活用し、国土交通省が主催するPLATEAUの開発コンテスト「PLATEAU AWARD」へ作品を応募することをゴールとする。
講義項目
「デジタルツイン」とは、現実世界の条件を電子的に再現し、これを利用して様々なシミュレーションやソフトウェア開発などを行うことで、現実世界に新たな価値をもたらすというコンセプトである。
近年、デジタルツインの射程は製造業のみならず、幅広い分野に拡大している。「都市」をテーマにしたデジタルツインもその一つであり、特に昨今ではメタバースの隆盛と相まって急速に技術的進展を見せている。
国土交通省都市局が2020年度にスタートさせたProject PLATEAU(プラトー)は、現実世界の都市空間のデジタルツインを「3D都市モデル」と呼ばれるデータによって再現し、これを活用した様々なイノベーションやソリューションを創出する取組みである。
PLATEAUの登場によって我が国でも急速に「都市デジタルツイン」が広がりつつあるが、一方で、この新しい分野におけるソリューション開発には極めて複雑かつ横断的な技術知識が必要となる。都市デジタルツインを我が国における新たな産業分野として成長させていくためには、これまでの技術ドメインの枠に囚われない、GIS、測量、Web、XR、ゲームエンジンなど、幅広い技術分野を横断的に学習した総合的なエンジニアの育成が必要となる。
本プロジェクトでは、講義前半における座学、開発事例の解説及び簡易なハンズオンを通じて、(おそらく)初めて触れるであろう都市デジタルツインのデータ(CityGML形式の3D都市モデル)の扱い方を学習する。
講義後半では、実際に3D都市モデルを活用したアプリケーション開発の演習を行う。この際は、講師に加え、専門技術を持つエンジニアを複数アサインし、初学者へのサポートを行う。
最終講義では、学生が開発した作品の講評会を行い、今後の学習の方向性について意見交換する。
理解すべき事項
履修者においては、事前に公式ウェブサイトをスタディすることを推奨する。
https://www.mlit.go.jp/plateau/
また、システムエンジニアリングの知見がある参加者は、PLATEAUの開発イベントにおいて配布している開発者向け資料が参考になる。
開発者向け資料
前提となる知識・項目
GIS ゲームエンジン 標準化 Web PLATEAU
対象
学部3・4年生,大学院生
日程
2024年度A1A2 / 10月10日スタート / 毎週木曜日6限18:45~20:30
教室
工学部1号館13号教室
※ 講義開始は6限の18:45開始ですが、工学部1号館は19:00でドアが施錠されるため、御注意ください。
科目名
科目名 | 学期 | 科目番号 |
創造的ものづくりプロジェクトⅡR‐都市デジタルツイン応用プロジェクト | 学部3・4年生A1A2 | FEN-CO3g48P2 |
創造性工学プロジェクトⅡR‐都市デジタルツイン応用プロジェクト | 大学院修士・博士A1A2 | 3799-548 |
授業の方法
本プロジェクトでは、講義前半における座学、開発事例の解説及び簡易なハンズオンを通じて、(おそらく)初めて触れるであろう都市デジタルツインのデータ(CityGML形式の3D都市モデル)の扱い方を学習する。
講義後半では、実際に3D都市モデルを活用したアプリケーション開発の演習を行う。この際は、講師に加え、専門技術を持つエンジニアを複数アサインし、初学者へのサポートを行う。
最終講義では、学生が開発した作品の講評会を行う。発表内容により成績評価を行う。
参加申込・問合せ
十川優香:sogawa-y2up[at]mlit.go.jp ※ [at] は @ に置き換えて下さい。
備考
本講義は、2024年度S1S2同名授業と同程度の基礎的な学習や開発演習に加えて、実践的なアプリケーション開発に関する技術を深堀りすることも想定している。
講義スケジュール
講義内容は今後変更の可能性があります。ご留意ください。
- 毎週木曜日 6限 18:45~20:30
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第1回 10/10(木)
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日本の都市デジタルツインの取組みについて
講義:Project PLATEAU全般、ユースケース事例についての解説
担当者:国土交通省 都市局国際・デジタル政策課 企画専門官/空間情報科学研究センター 協力研究員 十川優香
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第2回 10/17 (木)
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都市のデジタルツインから紐解く空間情報学の全体像
デジタル空間社会連携研究機構長 関本 義秀 教授による講義。
担当者:デジタル空間社会連携研究機構長/空間情報科学研究センター センター長 関本 義秀 教授
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第3回 10/24 (木)
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地理空間情報の標準
講義:地理空間標準、標準化を支える技術、CityGML技術、標準仕様検討演習
担当者:アジア航測株式会社 / ISO/TC211国内委員会 黒川 史子氏
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第4回 10/31 (木)
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三次元データと測量技術
講義:都市デジタルツインを実現するための我が国の測量技術の基礎、地図の作り方、3D都市モデルの作り方の解説
担当者:国際航業株式会社 嶋野 雄一 氏
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第5回 11/14 (木)
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都市デジタルツインデータの開発の要点(全般)
講義:座標系の扱い方、開発ツールの紹介
担当者:株式会社ホロラボ 於保 俊 氏
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第6回 11/26 (火)
(補講日)
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演習回(全般)
演習回
担当者:株式会社ホロラボ 於保 俊 氏
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第7回 11/28 (木)
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都市デジタルツインデータの開発の要点(ゲームエンジン)
講義:ゲームエンジンの紹介、産業分野での活用事例紹介、ゲームエンジンでの活用の基礎技術の紹介
担当者:調整中
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第8回 12/12 (木)
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演習回(ゲームエンジン(Unity/UnrealEngine)を用いた都市デジタルツインアプリ制作)
演習回
担当者:調整中
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第9回 12/19 (木)
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WebGIS技術①
講義:WebGISで3D都市モデルを扱うための基礎知識、Cesium/Deck/Three等を用いたアプリ開発演習
担当者:調整中
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第10回 12/26 (木)
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WebGIS技術②
演習回
担当者:調整中
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第11回 1/9 (木)
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作品発表に向けたハンズオン
講義:アプリケーション開発に関する技術の解説、3D都市モデルの実装事例の紹介
担当者:株式会社アナザーブレイン 久田智之氏
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第12回 1/16 (木)
(補講日)
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演習回
質問対応/各自演習
担当者:株式会社アナザーブレイン 久田智之氏
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第13回 1/22 (水)
(補講日)
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作品講評会
講義で身に着けた技術を用いた受講生による作品発表。発表内容が成績評価対象となる。
担当者:国土交通省 都市局国際・デジタル政策課 企画専門官/空間情報科学研究センター 協力研究員 十川優香
デジタル空間社会連携研究機構長/空間情報科学研究センター長 関本 義秀 教授