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デジタル技術と対話で創る未来 ーシビックテックを通じた参加の新しいかたちー

2025/03/26

概要

現代社会では、テクノロジーを活用することで市民が主体的に社会課題の解決に取り組む「シビックテック(Civic Tech)」が注目されている。本授業では、シビックテックの基礎概念を学び、歴史的背景や社会参加の意義、政府・自治体との関係、オープンデータの活用、プロトタイピング、コミュニティ形成などについて、学際的な視点から体系的に理解する。最終的に、一人ひとりが「自分ごと」として課題の発見からソリューションのデザイン・開発・展開までに関わる新たな社会への参加の態度と能力を身につけることを目指す。

目的

  • シビックテックの概念や意義、市民参加の歴史的背景や政府・自治体といったステークホルダーとの関係を理解し、情報社会における市民参加の理論を学ぶ。
  • オープンデータやオープンソースを用いたシビックテック事例を通じて、デジタル技術の活用方法を理解し、社会課題解決に応用できる力を養う。
  • 協働のためのデザイン、プロトタイピング、コミュニティ形成のプロセス等を学び、シビックテックの実践的な手法を習得する。
  • 実社会の課題を発見し、自らがその課題解決に関わるやり方を考え、選ぶことで、社会に参加する態度を身につける。

キーワード

参加、シビックテック、デジタル・シティズンシップ、市民科学、オープンデータ、オープンソース、デザイン思考、プロトタイピング、ガバナンス、コミュニティ形成

対象

  • 大学の学部生、大学院生(東京大学に限らず他大学からも歓迎、社会科学・都市計画・情報科学・政治学・公共政策学、工学をはじめとした幅広い専門領域の学生を歓迎)
  • 社会人(企業、行政関係者(自治体職員・政策担当者)、NPO/NGOも歓迎)

こんな方におすすめの講義です。
「自分も社会課題に関与したいが、どのように関わればいいか模索している」
「デジタル技術が社会のあり方をどう変えていくのかに興味がある」
「政府や自治体と市民が協働するための実践に関心がある]
「地域コミュニティやオンラインコミュニティの形成・維持に関心がある」
「社会課題を解決するためのデザインやプロトタイピングの手法に興味がある」

日程

原則 毎週水曜日 18時45分〜20時30分(第5回のみ火曜日開催)

実施方法

オンラインで実施、授業回によっては本郷キャンパスで対面実施

本授業はオムニバス形式で行われ、各回異なる専門分野の講師が講義を行う。質疑応答やディスカッションを行い、受講生の主体的な学びを促進する。実践的な学びを重視し、演習やグループワークを実施することで、理論と実践を統合的に学習する。

費用

無料

評価方法

本講義は単位認定はありません。修了要件を満たす場合には修了証を発行します。

  • 各回の講義に関するリアクションペーパー(イントロダクション・中間発表・最終発表を除く7回分、A4 1頁)
  • グループワーク・発表 30%

2025年 講義スケジュール

第1回 5/14(水)
イントロダクション

デジタル空間社会連携研究機構長/空間情報科学研究センター センター長/シビックテックデザイン学創成寄付研究部門 部門長
関本義秀教授

第2回 5/21(水)
シビックテックとは~シビックテックの概要と経緯

武蔵大学 社会学部 メディア社会学科 教授/東京大学 シビックテック・デザイン学創成寄付研究部門 客員教授
庄司昌彦教授

第3回 5/28(水)
政府・自治体の役割と市民の参加

早稲田大学・政治経済学術院・教授/東京大学 シビックテック・デザイン学創成寄付研究部門 客員教授
稲継裕昭教授

第4回 6/4(水)
対話のデザイン(作りあうことと分かりあうこと)

東海大学 教養学部 教授/東京大学 シビックテックデザイン学創成寄付研究部門 客員研究員
富田誠教授

第5回 6/10(火)
シビックテックを支えるオープンデータ・オープンソース

駒澤大学文学部 地理学科 地域文化研究専攻 准教授/東京大学 シビックテック・デザイン学創成寄付研究部門 特任准教授
瀬戸寿一准教授

第6回 6/18(水)
参加のプロセスと実践

東京大学 未来ビジョン研究センター 客員研究員
佐々木一先生

第7回 6/25(水)
中間報告

東京大学 シビックテックデザイン学創成寄付研究部門 特任研究員

第8回 7/2(水)
コミュニティの形成①

名古屋工業大学 情報工学類 知能情報分野 教授/名古屋工業大学 コミュニティ創成教育研究センター センター長/東京大学 空間情報科学研究センター シビックテック・デザイン学創成寄付研究部門 特任教授
白松俊教授

第9回 7/9(水)
コミュニティの形成②

名古屋工業大学 情報工学類 知能情報分野 教授/名古屋工業大学 コミュニティ創成教育研究センター センター長/東京大学 空間情報科学研究センター シビックテック・デザイン学創成寄付研究部門 特任教授
白松俊教授

第10回 7/16(水)
最終発表・評価会

デジタル空間社会連携研究機構長/空間情報科学研究センター副センター長/シビックテックデザイン学創成寄付研究部門 部門長・関本義秀教授、東京大学大学院情報学環・准教授/東京大学 シビックテックデザイン学創成寄付研究部門 副部門長
澁谷遊野准教授
各講師の先生方

申込方法、締切

●申請締切日
2025年5月4日 (日) 23:59

●申請方法
Google Formより申請内容を登録する。
申し込みフォーム (定員:40名)

備考

この授業は、東京大学 空間情報科学研究センター「シビックテック・デザイン学創成寄付研究部門(https://dss.csis.u-tokyo.ac.jp/projcet_ctdi/)」による「研究項目A:学術的な体系化」と「研究項目B:事例創出と人材育成」の一環として実施される。シビックテックの学術的体系化と実践的応用を両立し、学生や社会人が主体的に社会課題に取り組む力を育むことを目的とする。